ダイエット検定 健康志向と美の追求
ダイエット検定受験対策として、
今回はダイエットという概念が生まれた歴史的背景と、
本来の目的について学んでいきます。
現代では、ファッション雑誌で見るモデルが往々にしてスリムであるように、
昔から女性の美的感覚がダイエットという概念を生んだと思いがちです。
ところが遥か昔、日本の平安時代の文学には、
「ふくよかで顔が下膨れ」の女性が美人だと考えられていたことが分かる記述が見られます。
当時は痩せているのが美人とはされていなかったようですね・・・
また、日本では近代まで、「女性は良く働き、たくさん子供を生んで育てるのが理想」という美的観点?から、骨盤がしっかりしていてふくよかな女性が「理想的なよい嫁のスタイル」とされています。
(まぁ、美的観点というか、
子供を作り、育てる為にはやはり安産で健康、
体は丈夫なことにこしたことはないですよね)
そして、海外に目を向けると、14~16世紀、ヨーロッパのルネサンス時代の裸婦画を見れば
想いの外ぽっちゃり体型が多く見られ、現代的感覚でいえば肥満の域に入るような女性こそが
美しさの象徴のように描かれています。
実はこの頃、健康の観点から体重を減らすというダイエットの概念が、当時のヨーロッパの
医師から提唱されていました。この頃の女性は美を追い求めるあまり、健康志向という発想
すら無くカロリーを取りまくっていたということなのでしょうか?!
ふくよかさは富の象徴でもあったのかもしれませんね。
そして、現代のように、”美意識としてのダイエット”が見られるようになったのが、
19世紀~20世紀初頭のアメリカで、当時の女性誌にダイエットに関する記事が連載されて
いたのだそうです。
(そう言えば、7,80年代にやって来たフィットネスブームはアメリカからでしたし、
最新のダイエット法や器具などもアメリカからのものが多い気がしますね)
このことから、歴史的にダイエットの概念というのは、そもそも健康志向として生まれた
ものであって、美の追求として考え、取り組まれるようになったのは近年になってからの
ことだと言えるようです。
一方、ここからはダイエットの目的についてです。
現代人にとってダイエットは、人生でいつにおいても普遍的に必要であり、
意識しておくべきものとなっています。
それは、いつしか「食に困るという状況」がなくなった飽食の時代によって、
望まない体重増加への対策とその予防の必要性が生まれたということです。
若い世代であれば、スリムな方が可愛く見える、太っているのはカッコ悪いといった
美的観点から、また中高年世代では、肥満によって引き起こされる様々な病、機能障害
に対する対策や予防という観点から、ダイエットは必要な訳ですね。
具体的な例として、昭和30年代に生まれたミニスカートブームが、日本に初めて
「美脚ダイエット」という概念を生み出したとされるように、流行のファッションが
ダイエットの新しい観点や概念を作っているということが言えます。
(参考:女性ホルモンであるエストロゲンの役割は、内臓脂肪増加の抑制や骨密度を保つ他
女性独特の曲線美や魅力を引き出す作用があります。
肌を露出するファッションはエストロゲンの分泌を促し、またエストロゲンの分泌が結果的に肌を露出するファッションを好む傾向に繋がるとも言えますが、その逆にエストロゲンの分泌が少ない程、露出度の低い服装を好む傾向があるという、ある心理学者による研究報告があります)
このように、ダイエットの目的は、健康と美の観点に分かれるのですが、
そもそも、食に困らない状況によって生まれる概念であるということです。
<ダイエット検定2級テキストより一部転用>